Author Archives: ake_nyanko

Photoshop CC の画像書き出しを比較してみた。

スクリーンショット 2015-10-11 23.14.58

先日Photoshop CC 2015がリリースされ、画像の書き出し関連がまた変更になりましたね。
Webデザイナー&コーダーの皆さんは、普段画像の書き出しにどの機能を使っているでしょうか?

CS6・CC・CC2014・CC2015の各バージョンで少しずつ搭載されている機能に違いはありますが、現在PhotoshopからWeb用画像素材を書き出す方法としては下記の4つの方法が考えられるかと思います。

  1. スライス→Web用に保存(CS6〜)
  2. Generator機能→画像アセットの生成(CC〜)
  3. アセットの抽出(CC 2014)
  4. 「新」書き出し機能(CC 2015)

私は長らく1の「スライス→Web用に保存」を愛用してきましたが、昨年あたりからもっぱら2の「Generator機能による画像アセットの生成」を使うようになりました。

Generator機能を使った「画像アセット」をまだ利用したことがない方は、こちらの記事を参考にしてください。
【参考】この進化はズルイ!Generatorテクノロジーを使ったPhotoshop CCの「画像アセット」

▼「画像アセット」

まず「Web用に保存」と比較した場合の「画像アセット」のメリット・デメリットをザックリまとめるとこんな感じです。

【メリット】

  1. 一度生成のための設定をしておけば、Photoshopを修正更新するたびに画像アセットも自動更新されるので、書き出し手順が大幅に短縮される。
  2. レイヤー単位で書き出されるため、他のレイヤー画像と重なった状態の素材を出力する際に、いちいちレイヤーを非表示にしたり、スライスを調整したりしなくても済む。
  3. アルファ付きpng8の出力ができる
  4. レスポンシブ用に2倍・3倍などの解像度違いの素材を同時に自動出力できる。
  5. Web用に保存より圧縮率が高い

【デメリット】

  1. 任意のサイズで書き出したい場合にはレイヤーマスクを設定する必要があるため、サイズ変更にやや手間がかかる。
  2. 事前に元画像と圧縮画像の比較・確認ができない。
  3. 画像出力先フォルダを任意に指定できない(psdと同階層にできるアセット用フォルダに固定される)

個人的にはメリットの方がかなり大きいので、多少のデメリットはささいなものかと思います。

▼「アセットの抽出」

「アセットの抽出」は、Photoshop CC 2014にのみ搭載されている機能で、基本的に出来ることは上記「画像アセット」と同じです。generatorで画像アセットを生成する場合、細かい指定はレイヤー名に直接指定するのですが、その辺をパネルを使ってもう少し直感的に使えるようにしてくれたもの、と考えれば良いかと思います。

「アセットの抽出」をまだ利用したことがない方は、こちらの記事を参考にしてください。
【参考】[Photoshop]画像アセット生成でできること

「アセットの抽出」をgenerator機能で直接画像アセットを生成した場合と比較したメリット・デメリットをまとめるとこんな感じです。

【メリット】

  • JPEG画質やサイズ違いの出力設定で、レイヤーにいちいち自分で名前をつけなくてもいい。
    (パネルで設定すれば勝手にレイヤー名を変更してくれる)
  • 抽出画像の保存場所・フォルダ名を任意に設定できる

【デメリット】

  • サイズ違いの出力は全アセット一括なので、不要なサイズも出力されてしまう。
  • Photoshop CC 2014にしか搭載されていない(2015では廃止)

▼Photoshop CC 2015「新」書き出し機能

Photoshop CC 2015になると、画像の書き出し絡みがまた大きく変わっています。
主な変更点は以下のとおりです。

  1. 「Web用に保存」に代わる新たな画像書き出し機能が「書き出し」として搭載された。
  2. 「Web用に保存」が「ファイル>書き出し>Web用に保存(従来)…」に移動。(将来的には廃止されるらしい)
  3. 「アセットの抽出」機能は廃止され、従来の「画像アセット」のみに戻った。
「新」書き出し機能をまだ利用したことがない方は、こちらの記事を参考にしてください。
【参考】迷走しているPhotoshop CC 2015の書き出し
【参考】Web用保存は古い1? JPEG画質が改善したPhotoshop CC 2015の新方式の画像保存機能まとめ

「新」書き出し機能の特長をザックリまとめるとこんな感じです。

  • 書き出し先を任意に指定できる
  • 書き出し画像のファイル名は、デフォルトではレイヤー名を使用。書き出し時の変更もできるが名前の保持はできないので、画像アセット同様レイヤーに画像名を指定する必要がある。
  • 拡大・縮小機能でサイズ違いの出力が可能。(複数サイズの同時出力はできない)
  • png-8/gif形式でインデックスカラーの色数指定はできない。
  • スライスの書き出しには対応していない。(Web用に保存を利用)

個人的には、どのみちレイヤーに名前つけなきゃならないなら、画像アセット機能で生成した方が手間もかからないのでわざわざ個別に書き出しをする理由があまり見当たらないかな、という印象です。
まぁ画像アセットと違って出力先を任意に指定できるので、直接プロジェクトのimgフォルダに書き出しできるのはいいと思いますが正直メリットはそれだけかな。。。

▼まとめ

Photoshopからの画像書き出し機能としては、個人的にはCC 2014の「アセットの抽出」が最も使い勝手が良いという印象です。機能的には画像アセットでも同じですが、複数サイズ出力等の設定を自分でレイヤー名に記述しなくてもいいというのが個人的には楽ちんで良かったので。
復活してくれないかなぁ〜〜(;´Д`)

追記

「画像アセット(CC 2015も含む)」の場合は

  • 生成された画像は元PSDと同階層に出来る「xxxx-assets」フォルダに固定される(xxxxは元PSD名)
  • PSDが更新された場合、アセットフォルダの中身は一度削除され、再度画像が書き出される

という特徴がありますので、生成された画像を制作中のWebサイトのimgフォルダに手動で移動させる手間がかかるのですが、これが「アセットの抽出」だと、

  • 抽出した画像を任意のフォルダに書き出すことが可能
  • 複数のPSDからの抽出先を同じフォルダに設定した場合、同じ名前でない限り追加される(もともと存在していた画像を削除することは無い)

という形になるので、抽出画像を制作中のWebサイトのimgフォルダに直接書き出すことが可能です。
この1点だけでも、「画像アセット」よりも「アセットの抽出」の方が優れているといえます。
Adobeさんは何でこの機能を廃止してしまったんでしょうね・・・・。

iOS8 Safariでzoomプロパティが無効になっている件

iOS8からはzoomが効かない

今から2〜3年前、スマホサイトのRetinaディスプレイ対応をしなければならなくなった時に、予算とかスケジュールの都合で簡易対応として以下のようなコードで強制的に全部のimg画像を1/2表示にして作っていた時期がありました。

img{zoom:0.5;}

この方法だと、img要素にいちいち1/2サイズを指定しなくても勝手に1/2サイズで表示してくれるので、レスポンシブではないスマホ専用サイトでリキッドレイアウトにする時非常に重宝していたのですが、、どうやらiOS8でzoomがサポートされなくなったてしまったようです。(涙)

zoom:0.5が効かなくなったiOS8では、原寸で320pxを超えるサイズの画像があると、こんな感じで画面からはみ出して表示されてしまいます。

unnamed

iOS8がリリースされて立て続けに3件ほど、これが原因の修正依頼が入ってしまい、ちょっと慌ててしまいました。

対処方法

もともとどんな作り方をしているかによって違いは出てくるでしょうが、私の場合は以下の様な方法で対処することで何とか事なきを得ました。

1.img{zoom:0.5;}を削除
2.img{max-width:100%;height:auto;}を追加
3.ページを確認して画面サイズより小さいサイズで固定する必要がある箇所をピックアップ
4.CSSで該当箇所のwidth(またはheight)を1/2に設定

4の部分は、親要素にclassとかがついてないと特定できないので、HTML側にclassを追加するか、いっそ直接width/heightを指定するかなどの対処が必要になってきます。手作業で更新しているサイトならいいですが、システム化されててHTMLがバラバラにされていたりするとこの辺りの対処がかなり面倒なことになってくることが予想されます。(実際私の担当する案件でも2〜3箇所はどうしようもなくてシステム側でコードいじってもらいました)

初めから面倒くさがらずに固定サイズにしたい画像はwidth/heightに1/2した数値入れておけばよかったのですが、今更言っても仕方ないですね。。。皆様の中でもし過去にzoomで1/2する手法を使った覚えがある方がいらしたら、早急に対策を取ったほうが良いと思いますよ。

ではまたいつか…!

今さら聞けないIE6のバグと対策方法【2013】

かつてWeb制作者を悩ませ続けたIE6。
さすがにもうIE6対応を必須と言ってくるクライアントもほとんどいなくなり、
そろそろ「IE6?なにそれおいしいの?」というピチピチの若いクリエイターさんも
沢山出てきた頃ではないかと思います。

正直もうほんとに古いIE6やら7やらへの対応なんてしなくていいと思うのですが、
万が一対応しなきゃならなくなった場合、最近Web業界に入ってきた方には阿鼻叫喚となってしまう恐れがあります。
実際、自分と自分の周囲で2013年の今になってもなおIE6対応を求められたという話を1度ならず経験しています。
リアルタイムでIE6/7対応をしてきた世代ならともかく、これからの若い世代に無駄な時間を過ごしてもらうのは忍びないので、
今更ではありますが、なるべく楽に古いIE6/7に対応する方法をまとめておきたいと思います。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

1.標準モードで表示

今時DOCTYPE宣言なしにHTMLを書く人はいないと思いますが、古い既存のHTMLを流用してページ制作をするようなケースでは稀に後方互換モードで表示されてしまうようなDOCTYPEになっているのに気づかないケースもあります。
常にブラウザの表示モードは「標準モード」となるように気をつけましょう。
IEの場合特に「後方互換モード」になっていると、W3C仕様とはかなり異なる表示になってしまうため、大変面倒なことになります。
後方互換モードで表示されるケースとしては、次の3パターンを押さえておけばいいと思います。

 ①DOCTYPEなし
 ②HTML4.01 TransitionalでDOCTYPE後半のシステム識別子がない
 ③XHTML1.0でXML宣言を書く(※IE6のみのバグ)

①や②はよほど古い時代のHTMLを流用しない限り発生することはないと思いますが、
③については注意した方がいいでしょう。
(ちなみに「DOCTYPEって何?」「標準モードって何?」という方はGoogle先生にでも尋ねて下さいね。)

2.困ったらzoom:1;

IE6/7対策をやり尽くしてきた制作者の方なら、他のブラウザは完璧なのにIE6/7だけ表示がおかしいなんていう現象は嫌という程経験してきたことと思います。
IE6/7だけ表示がおかしくなる原因の大半は、奴らだけが持っている「hasLayout」という読み取り専用の特殊なプロパティのせいだったりします。
一から説明するのは面倒なので、気になる人は自分で調べてください。
hasLayoutとは?

結論からいうと、おかしいな?と思ったらとりあえず、怪しい要素に「zoom:1;」と入れてみて下さい。上記hasLayoutが原因の場合であればそれだけで大抵が直ります。
zoom:1;で直らない場合は原因は別の所にありますので、「起きている現象 IE6 バグ」とでも入れてGoogle先生に尋ねてみましょう。

3.floatレイアウト時の原則

IE6には「float方向と同じ方向にmarginをつけるとその値が2倍サイズで表示される」という超有名なバグがあります。
これを回避するには次のいずれかの方法を採用します。

 ①floatと同じ方向にmarginを付けない(反対側につける/paddingで代用する等)
 例)
 .selector{
 		float:left;
 		margin-right:10px; /*反対方向にmarginをつける*/
 }
 
 ②display:inline;を併用する
 例)
 .selector{
 		float:left;
 		margin-left:10px;
 		display:inline; /*バグを出さないためのおまじない*/
 }

4.IE6/7でもdisplay:inline-block;を再現する

サイズ指定可能でかつインライン表示されるdisplay:inline-block;はとても便利ですがIE6/7では効きません。
しかし以下のようにIE6/7向けハック記述を追加すれば同等の効果を得ることができます。

 例)
 .selector{
 		display:inline-block; 
 		 /*IE6,7向け*/
 		*display:inline;
 		*zoom:1;
 }

 

5.IE6/7ではうまくいかない代表的なケースを避ける

floatマージンやdisplay:inline-block;のような簡単に回避&再現可能な方法が確立しているものはいいですが、
そうではないケースについては格闘するだけ時間の無駄なので最初からやらないようにした方が幸せです。
個人的には次のケースは最初から避けるようにしてます。

①IE6/7非対応セレクタの使用

IE6が素直に読めるセレクタは、基本的に「タイプセレクタ」「classセレクタ」「idセレクタ」「グループセレクタ」「子孫セレクタ」のみです。
あとこれにa要素に対する:link, :visited, :hover, :activeの各擬似要素。
子セレクタとか便利な擬似クラスや擬似要素なんかを使いたくなる気持ちをぐっと押さえて、上記の基本セレクタだけで運用しておけば、IE6対応でもセレクタで困ることはまずありません。

②結合クラスセレクタの使用

ひとつの要素に複数のclass名を設定しておき、.class1.class2.class3 といった具合にAND検索風にセレクタを作ることがあるかと思いますが、IE6はこのような結合クラスを使った場合、最後の.class3しか認識しません。また、#id.class1のようにidセレクタとclassセレクタを結合させると、そもそもセレクタとして認識できません。

③インライン要素の末尾に背景画像でアイコン設定

a要素などのインライン要素にbackground-position:right top;で要素の末尾にアイコン画像を背景指定しても、IE6/7では折り返して自動改行した時に背景画像が文字列の末尾についてきません。これは回避方法が無い(と思う)ので、img要素でHTMLに埋め込むしかないです。

6.Pollyfilでカバー

古いIEにはできないことがいっぱいです。HTML5やCSS3はもちろんのこと、
IE6に至っては透過PNGすらまともに扱えません。
こうしたできないことをIEの独自機能(filter)やJavaScriptで機能補完するためのものを「Pollyfilポリフィル」と言います。
どうしてもIE6でも同じように見えるように作らなければならない場合は、最初からIE6にできる機能しか使わないで作るのが一番無難なわけですが、デザイン的にそれが不可能なケースもあります。

そのような時に慌てないために、有名なPollyfilスクリプトやfilter機能は把握しておくと良いと思います。
代表的なものは以下のとおりです。

①IE6に透過PNGを読ませる

DD_belatedPNG.jsdownload

※透過PNGの背景リピート表示に対応
でのロールオーバーには非対応
(※カスタマイズすれば可能→参考:DD_belatedPNGを使ってる場合でもスマートロールオーバーが動くようにする

②IE8以下でもopacityを再現する

.sample {
  sample: .5; /* FireFox, Webkit, Opera */
  -ms-filter: "alpha(opacity=50)";
  filter: alpha(opacity=50); /* IE5.5+ */
}

③IE8以下でもrgba()を再現する

.sample {
  background-color: rgba(255, 255, 255, 0.6);  /* FireFox, Webkit, Opera, IE9 */
  -ms-filter: "progid:DXImageTransform.Microsoft.gradient(startColorStr='#99FFFFFF',EndColorStr='#99FFFFFF')";
  filter: progid:DXImageTransform.Microsoft.gradient(startColorStr='#99FFFFFF',EndColorStr='#99FFFFFF'); /* IE5.5+ */
}

※IEではrgba()を表現する際、#aaRRGGBB(※aaがアルファ値)と16進数8桁で表現します。
※IEテスターではfilterで指定した透過色は表示されません。表示確認は本物のIE6〜8で確認しましょう。

④IE8以下でもHTML5新要素とCSS3セレクタが使えるようにする

IE9.jsdownload

※HTML5新要素を読ませるにはhtml5shiv.js、CSS3セレクタを読ませるにはselectivzr.jsという有名なスクリプトがありますが、IE9.jsは1つでこれらと同等の機能を実現できます。ついでに「ファイル名-tarns.png」という名称で保存すればIE6に透過PNGを読ませることもできます。

⑤IE8以下でも角丸などのCSS3プロパティを使えるようにする

CSS3 PIE.htcdownload

※border-radius/box-shadow(insetは無効)/border-images/linear-gradient()/複数背景画像に対応
※.htc形式のファイルを使用するにはサーバが対応している必要あり
※癖があるので利用の前には必ずトラブル対処法に目を通し、テストしてから使いましょう。

⑥IE8以下でもメディアクエリを使えるようにする

★css3-mediaqueries.js(download)
★respond.js(download

個人的にはIE8以下でレイアウトが「レスポンシブ」になる意味が全く理解できないので別に要らないんじゃないかと思いますが、
メディアクエリの設定をモバイルファーストにした場合や、レスポンシブなのに意味もなくクロスブラウザを求められてしまったような場合には仕方ないので対応させてやらないといけません。
上記2つがメディアクエリ対応の双璧ですので、どちらか好きな方を使うといいと思います。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

IE6/7の落とし穴は細かいものを入れるとまだまだあったりするわけですが、ここにまとめたものだけでもかなりIEトラップを避ける事は可能だと思います。
不運にもIE6対応を迫られてしまった方は参考にしてみてください。(別途対応料金請求するのをお忘れなく!)

そして最後に、、、   IE 爆 発 し ろ !!!!!  ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!

フリーランスの貯蓄&節税に役立つ公的制度

 

2012年も残り約1ヶ月。そろそろ確定申告に備えて節税とか気になってる人が多いらしいということで、フリーランス・個人事業主のための節税方法についてまとめてみます。
今回ご紹介するのは、国が用意してくれている公的な制度であり、
うまく使えば将来に備えて蓄財しながら、節税もできちゃうとってもお得な制度です。

①「小規模企業共済」

http://www.smrj.go.jp/skyosai/
月額掛金:5000円〜7万円
小規模企業の経営者/役員・個人事業主の「退職金積立」を目的とした共済です。
掛金は全額所得控除され、解約して受け取る際には退職所得控除が受けられます。
入口・出口ともに税制優遇されているため、節税対策としては一番おすすめです。
従業員を持たない一人親方・フリーランスでも加入できます。

【お得ポイント】

・掛金が全額所得控除されますので、毎年の節税効果がすこぶる高いです。
掛金の全額所得控除による節税額
・年間40万までの掛金であれば、廃業時の共済金受け取り時の税金も退職所得控除により非課税となります。仮に課税されたとしても、それまでの毎年の節税額の方が大きいため、トータルでは確実にプラスとなります。

【注意点】

・12ヶ月未満で解約した場合、共済金は掛け捨てになります。
・20年未満で自己都合により解約した場合、解約手当金が掛金を下回ります。
・一括で受け取る場合は退職所得扱い、年金として分割で受け取る場合は公的年金等の雑所得扱いとなります。

②「確定拠出年金(個人型401K)」

http://www.npfa.or.jp/401K/index.html
月額掛金:5000円〜6万8000円
公的年金を補完するための公的個人年金制度です。
通常の公的年金が「確定給付」すなわち将来受け取れる金額が確定しているのに対して、「確定拠出」の年金は、現在の掛金に対して将来受け取れる年金額は運用次第で変動します。運用に失敗すれば元本割れのリスクがある代わりに、うまく運用すれば数%以上の運用益を得ることも可能です。
小規模企業共済と同様に掛金は全額所得控除となりますので、節税効果は高いです。
また、通常の株式や投資信託と違い、年金受け取り時まで運用益に対する課税が繰延(通常は利息に対して20%課税)される税制優遇が受けられるので、リスク資産での投資を検討している場合はまずこちらを優先した方がよいです。

【お得ポイント】

・掛金が全額所得控除されますので、毎年の節税効果がすこぶる高いです。
・運用期間中の運用益に対しても非課税扱いとなるので、一般の投資商品より有利です。
・途中で就職して会社員になった場合でも、会社に企業年金制度がなければ継続できます。(会社員の掛金上限は18000円)

【注意点】

国民年金の掛金を支払っていることが加入条件になります。
・国民年金基金に加入している場合は、そちらの掛金と合計して上限68000円となります。
・公的年金を補完するための制度なので、一度加入したら原則自己都合での脱退はできません。
(掛金の拠出を止めて運用指図者になることは可能)
・リスク商品(株式・債券・現物先物等)で運用した場合、元本割れのリスクがあります。
・運用には委託手数料をがかかります。
——————————————–
資金に余裕があって将来に備えて確実にお金を蓄えておきたいのであれば、
小規模企業共済・確定拠出年金両方やるのがいいと思いますが、
そこまで余裕が無いのであれば、小規模企業共済の方を優先した方がいいと思います。
確定拠出年金はあくまで「年金」なので、公的年金支給開始年齢まで受け取ることができないのに対し、小規模企業共済は以下にあげるようにもう少し融通がききます。
・個人事業を廃業した段階で共済金として受け取る事ができる。
(会社員になるとか、専業主婦になるとか、体を壊して働けなくなるとか。)
・掛金の範囲内で無担保で融資が受けられる。
・12ヶ月以上掛金を納めていれば、自己都合での任意解約もできる(※元本割れします)

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③経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)

http://www.smrj.go.jp/tkyosai/index.html
月額掛金:5000円〜20万円
中小企業の連鎖倒産を防ぐ目的で設立された共済です。取引先が倒産して資金繰りが悪化した際には、掛金の最大10倍(8000万円)まで無利子・無担保・保証人なしで貸付が受けられる制度です。
掛金は全額を必要経費とすることができます。

【お得ポイント】

・掛金を全額「必要経費」にできるので、所得そのものを圧縮できます
・控除前の所得を低く押さえることができるため、控除前所得を基準として算出する国民健康保険税(旧ただし書き方式)も低く抑える効果があります。
・40ヶ月以上掛金を納付すれば、いつでも100%の解約手当金を受け取る事ができます。
・任意解約するにあたり使途の制限はありません。

【注意点】

・解約手当金は「雑所得」として所得税の課税対象となります。
——————————————–
倒産防止共済は他の2つの制度と違って「所得控除」ではなく、「必要経費」にできるという点である意味非常にお得な制度です。所得控除で節約できるのは「所得税・住民税」だけであるのに対して、「必要経費」にして控除前所得を低く押さえることができれば、それを基準に算出される「国民健康保険税」も安く押さえることができるのです。貯金をしながら税金だけでなく国保も節約できる制度はこれしかありません。その点では非常に、ひじょーーーーーに魅力的です。
ただし、問題は解約した時の解約手当金の扱いです。
倒産防止共済の場合、解約手当金は「所得」として課税されてしまいます。
掛金は最大800万円まで積立できるのですが、仮にこれを解約した場合、その年はいきなり売上が800万円増えたのと同じ扱いになり、所得税・住民税・国保税全てが一気に跳ね上がるという結果となります。
この出口戦略をきちんと考えずに利用すると、解約時に慌てるハメになりますので要注意です。

【出口戦略の例】

・赤字の年に解約して赤字補てんに当てる
・大規模な設備投資をする年に解約する
・退職金支払いのタイミングで解約する

解約手当金は収入扱いですので、上記のように何らかの大きな支出が決まっている時にタイミングを合わせて解約するようにしないとガッポリ税金を取られますので気をつけてください。
しかし残念ながら法人ではないフリーランス・個人事業主の場合は自分の退職金を経費扱いできません。法人であれば退職金制度の代わりとしてものすごくメシウマな制度となりますが、フリーランス・個人事業主の場合は積立期間中の国保節約以外メリットがないかもしれません。

* * * * * * * * * * * * *

④国民健康保険組合

フリーランス・個人事業主が頭を悩ませるものの筆頭としてバカみたいに高い国民健康保険料があります。国保は自治体が運営母体なので、住んでいる地域によって算出方法も金額も全く違います。家族構成や資産の有無などによって個々に条件は違いますが、場合によっては全く同じ収入であっても住んでいる地域によって国保の金額が倍近く違うなんていうこともあります。
そんなわけで国保を節約する方法というのはその人の状況によっていろいろ違ってきてしまうため一概には言えないのですが、基本的には「『所得』を低くおさえない限り安くすることはできない」と考えて差し支えありません。
ポイントは各種控除を差し引いた後の「課税所得」ではなく、あくまで「所得」が基準だという点です。だれでも一律受けられる基礎控除(約30万円)は差し引かれますが、それ以外の控除は一切考慮されません。従って、いくら小規模企業共済や確定拠出年金(所得控除)を増やしても、国保を安くすることはできないのです。(※「住民税方式」を採用しているごく一部の自治体を除く)
実質貯金をしながら所得を押さえる効果がある制度として③で倒産防止共済を紹介しましたが、既に解説した通りフリーランス・個人事業主の場合「退職金」として非課税処理することが不可能なため、解約年の翌年の国保税が跳ね上がることはなかなか避けられません。
そこで注目すべき制度が「国民健康保険組合」というものになります。
国保組合に関しては下記のブログが詳しいので、参考にしてください。

「フリーランスの健康保険」:トラベローグ
「国民健康保険税が高いので、多くの人が安くなる方法を。」:CSS HappyLife

Web制作に携わる人やイラスト書いてる人などの場合、加入できる国保組合は「文芸美術国民健康保険組合」一択となります。国保と比較してどの程度保険料が安くなるかについてはこちらのページで試算していただければよいかと思いますが、所得が200万以上ある人であればだいたい国保より安くなると言えます。
節税を考えるような人であれば基本的に所得200万くらいあるでしょうから、乗り換えを検討してみると良いと思います。

【お得ポイント】

どんなに所得が上がっても保険料が一定(国保の半分以下にすることも可能)
・文芸美術国民健康保険組合の場合、所得200万以上なら組合のほうがお得

【注意点】

※文芸美術国民健康保険組合の場合
・加入するためには
(協)日本イラストレーション協会 - JILLA/ジャイラ
社団法人 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)」などの各種団体に所属する必要がある
・保険料の他に所属団体への加入料や年会費などが必要
確定申告の書類上でその職業(デザイナー等)に従事していることが確認できる(※)
※従来はJAGDA等の協会に加入していれば国保組合への審査はスルーパスでしたが、昨今偽装加入の問題が増えてきているため、本当にその職業についているかどうかを確定申告書類上で再審査する旨の通達がありました。開業届に「デザイナー」とか「イラストレーター」等と書かずに加入していると、最悪の場合脱退させられる可能性があります。(調査中)

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⑤青色申告特別控除(65万円)

最後になりましたが、節税対策として忘れてはいけないのが「青色申告特別控除」です。
他の制度は結局お金を使うかどこかに預けなければいけないのに対し、
青色申告特別控除は1円も使うことなく節税ができます。
フリーランス・個人事業主であればどのみち確定申告はしなければいけませんが、
白色申告では税制優遇は一切受けられません。
同じ金額の黒字が出ていたとしても、白色申告するのと青色申告するのでは
支払う所得税・住民税の金額は全然違ってくるのです。
フリーランス・個人事業主で少しでも黒字になっているなら、青色申告しない手はありません!
ただし、青色申告で65万円の控除を受けるためには次の条件を満たす必要があります。

・税務署に青色申告をする旨の届出をすること
複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して期限内に申告すること

ハードルが少し高いのが「複式簿記による記帳」です。
これをクリアして青色申告特別控除の恩恵を受けるためには、

①税理士に報酬を払って丸投げする
②勉強して自分で記帳する

のどちらかです。楽をしたければ税理士に丸投げすればいいと思います。
個人の確定申告決算であれば、10〜20万もあれば丸投げできると思います。税理士報酬自体も経費になりますし、面倒くさい経理に頭を悩ませる時間がもったいないと思う方は利用したほうがいいと思います。
自力で頑張るというのも、決して無理な話ではありません。
ある程度勉強は必要になりますが、

・会計ソフト(弥生の青色申告など)
・相談できる相手(先輩フリーランス、青色申告会の人、会計ソフトの相談サービス等)

があれば全然自分でできます。
私もこれまで全て自分で青色申告して65万控除ゲットしてますが、簿記の資格なんか持ってませんし、貸借対照表も読めません。でも記帳して申告するだけなら全然OK!無問題です。
★自分でやってみたい!と思う方への参考図書等はこちら↓

【参考図書】

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

【参考サイト】

はじめてのフリーランスの青色確定申告の勉強メモ「実践・提出編」
初めての青色申告ガイド【前編】
初めての青色申告ガイド Q&A 【後編】

【会計ソフト】

やよいの青色申告 13

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ちょっと長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
架空経費とか無申告とか、そういう危ない橋を渡ること無く、
正々堂々と納税者の義務を果たしながら賢く節税して将来に備えてきましょう♪

CSS3 PIE1.0.0の設置方法が変わっている(かもしれない)件

CSS3を理解しないIE6〜8(一部9も)でもCSS3プロパティの一部が使えるようになるCSS3 PIE
初のメジャーバージョンとなる1.0.0が2012年5/15日にリリースされたわけですが、
皆さんお使いでしょうか?
betaがとれて1.0.0になってから今日初めて使ってみたんですが、
……なんかこれ、設置仕様変わってませんか?
CSS PIEと言えば、CSS3プロパティ使っているセレクタの中で「behavior:url(パス/PIE.htc);」と一行書くだけでOKというお手軽さが魅力ですが、そこで注意しなければならないのが、
「behavior中のパスは、呼び出されるHTMLからのパスであってCSSファイルからのパスじゃないよ!
というのが超重要な設置仕様だったはずです。
1.0.0になった後も、documentationにはちゃんとそのように書かれています。
CSS3 PIE Documentationから抜粋。

Step 4: Apply PIE
In that same CSS rule, add the following style line:
behavior: url(path/to/PIE.htc);
Of course you will need to adjust the path to match where you uploaded PIE.htc in step 2. Note: this path is relative to the HTML file being viewed, not the CSS file it is called from.

んがっ!
そのとおりに設置しても一切、まったく、IEにCSS3が適用されないんです。
他のJSが悪さしてるわけでもなく、コードが間違ってるわけでもない。
HTMLの<head>に直書きした場合にはきちんと動作するのに、違う階層に設置したCSSファイルに記述すると一切効かない。
・・・・まさか。
と思って試しにこれまで口すっぱくしてダメだと言われてきた
「CSSファイルからの相対パス」で書いてみたら、あっさり表示されました。
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
マジで?
こんな大事な仕様変更、内緒にしてる意味が分からないんですけど?
何かあまりにどこにも情報がないので正直自信がありません。
どなたか最新版のPIE1.0.0で設置パスの検証していただけないでしょうか。
そして結果を教えて下さい。
いつそのような変更がなされたのか分からないので、検証の際は必ず新規に最新のコードをダウンロードして検証してくださいね。
誰がやっても「CSSからのパス」でないと動作しないなら、それが正しいんでしょう。
「CSSからのパス」でいいならこの変更は歓迎すべきことですので、
早急に制作者界隈でシェアすべき事項かと思います。
ご協力よろしくお願いします。